CASE STUDY導入実績

ダイキン工業健康保険組合様

医療費適正化の実現へ向けて重症化予防は欠かせない取り組み

プロフィール

事業所数:32事業所
被保険者数:15,816人(男性12,505人 女性3,311人)
被扶養者数:14,791人(男性4,974人 女性9,817人)
扶養率:0.94人/1人

お話を伺った方

ダイキン工業健康保険組合 事務長  吉田 尚司様
ダイキン工業健康保険組合 看護師  宮本 寿子様
ダイキン工業健康保険組合     田中 佳代子様

ダイキン工業健康保険組合様について

はじめに、ダイキン工業健康保険組合様の母体企業の業界ならびに加入者の特徴を教えてください

当組合は全体で32事業所が加入しており、そのうち約6割がダイキン工業㈱、残り4割がダイキングループに属する会社になっています。ダイキン工業は空調、冷凍機のメーカーで、事業の91%が空調、冷凍機の国内向け製造販売が占めています。残り7%が化学関連、2%が油圧機器、コンピューターグラフィック関連の事業となっています。

職種としては現場はそれほど多くなく、事務、開発、営業など、デスクワークメインの間接部門の割合が多くなっております。また、海外にも事業所があり、ダイキン工業㈱に雇用されている方はダイキン健保に加入されております。

加入者規模は今年の3月末で被保険者15,816名、被扶養者14,791名、扶養率は0.94になっており、機械の製造がメインなので男性が多く、被保険者のうち12,505人が男性と、全体の約8割を占めています。

男性の方が生活習慣病になる方が多いということもあり、やはり生活習慣病の対策は課題になりやすいと感じています。

年齢層も比較的高く、事業主には60歳以降再雇用制度があり、9割くらいの方は再雇用されています。70歳代の方もいらっしゃいます。そのため高齢者も多くなり、おのずと医療費が増えるので、今後も健保財政は厳しくなる見込みだと考えています。

導入までの経緯

弊社を知っていただく前は重症化予防に対する課題感はお持ちになられていたのでしょうか?

当健保は他の健保と比べても財政は厳しくならざるを得ない状況でした。平成24年度には、国への納付金の急増により1.6%の健康保険料率を上げざるを得なくなりました。当時は財政健全化を目指した保健事業の取り組みはあまり行ってはいませんでしたので、健康保険料率のアップを機に、財政健全化を目指した取り組みに着手しました。

財政健全化を実現するためには3つポイントがあると思っております。

1つ目は扶養率を下げること。他の健保に比べると扶養率が高いので財政が厳しくならざるを得ない人員構成になっていました。2つ目は当健保に加入している前期高齢者(65歳以上)の医療費を下げて、前期高齢者納付金を下げること、そして3つ目に生活習慣病の重症化予防。加入者の属性として男性の割合が多いので、どうしても生活習慣病で重症化してしまう方が多くなってしまいます。

どのような対策をとられていたのでしょうか?

平成24,25年くらいから他社に委託し、特定保健指導の延長上で重症化予防事業に取り組みはじめました。当初は300人くらいを対象にしましたが、参加者は10人程度しか集まりませんでした。また、委託していた会社も元々保健指導を担う会社が、業態変更する形で重症化予防の事業を始めていたので、重症化予防といっても内容が保健指導とは大差がありませんでした。5~6年前の段階で、何か取り組まなければいけないという考えは持っていたため、試行錯誤を続けていたのが当時の状況となります。

PREVENTを知っていただいたキッカケを教えてください。

PREVENTの話をはじめて聞いたのは3年前くらいですかね。東京で開催された常務理事、事務長が参加する情報交換会で、中部地区健保でのコンソーシアムに関する内容のご紹介があり、その時のコンソーシアムの事業者がPREVENTであったことが、名前を知った最初のキッカケでした。当初から興味深い会社だなと思いまして、一度持ち帰り検討していたところ、タイミングよくPREVENTから連絡があり、具体的なお話を聞いたうえで、比較的すぐに導入を決定しました。

対象者抽出の仕方がこれまでと違い、過去の血管病既往歴の評価、複合要因でリスクを評価している点が非常にわかりやすく、効果が期待できるのではないかなと感じました。

弊社以外のサービスとの比較はされていましたか?

当時はそれほど事業者も少なく、ライバルがいなかった印象ですね。当時関西はまだ営業も多くはなかったし、PREVENTは循環器系に強いということで独自性があったので、すぐに決めることができました。

導入した感想

PREVENTのサービスを実際に導入してみていかがですか?

まず、初年度の申込者が170名も集まって少し驚きました。(笑)過去に参加者を集めるのに苦労したのもあり、当初の想定としては30人くらいをイメージしていたので、とても良い成果だったと思います。

申込者数が順調に増えたのは何が要因だったと思いますか?

案内の内容がしっかりしていたのが大きな要因かと思います。案内時に、他社が提供する個々人の健康状態をお知らせする通知文書の到着タイミングと合わせることで、対象者に自分の年齢と健康年齢とのギャップが伝わり、危機感を与えることができたのではないかと思います。

Fitbitの提供も参加率向上に効果あったかなと思っています。昔の万歩計よりもスマートでかっこよいので使う気になりますよね。Fitbitを装着すると活動量の確認ができるので、わかりやすかったのではないかと思います。自分でもFitbitを装着しましたが、睡眠が測れることも魅力に感じております。

実際に参加された方からの感想等があれば是非お聞かせいただきたいです

10月に当健保から機関誌を発行しました。皆さんのヒントになるようなことを記事にしたいと思い、2年間で10kgダイエットされた方へメールを送ってインタビューの依頼をしました。そのなかで1名PREVENTプログラム参加者がいました。

インタビューの中では各種数値変化もあり、薬の量も減ったとのことで大変喜んでおられました。プログラムの中で良かったポイントとしては、食事の写真や塩分の測定結果を用いて質問したところ、論理的にわかりやすく的確なアドバイスしてくれたので、取り組みやすかったとおっしゃっていました。

プログラム参加者全員に数値的な効果があったわけでは無かったですが、アンケートでも良い回答が得られているので、導入して良かったと思います。

特定保健指導では正直あまり効果が出ていないのが現状です。それと比べるPREVENTの事業は明らかに効果が出ていると感じています。

逆に、ここをもっと改善してほしい等のご意見はございましたか?

導入初年度に参加者からアンケートをとった結果としても、多くの方が「受けてよかった」とおっしゃっていました。ただ、ネガティブな意見としては「塩分測定器(早朝尿から前日の塩分摂取量を測定する機器)がちょっとしんどい、一人暮らしならまだ良いが、家族がいると尿の測定はむずかしいことがある」というお声はいただきました。

あとは、他の参加者からの意見ですが、その方はなかなか体重が減らなかったようで、その方のお話として「面談のときにとても褒めてもらえるが、結果が出ていなかった。なんでもかんでも褒めるのが良いわけではないのでは」という意見もありました。「言うときは厳しくしっかりと言ってほしい、変化がない原因はもっと踏み込んでほしい」とおっしゃっていたので、このお話を聞いて、成功事例をマニュアル化してしまうと指導が画一的になる懸念もあるのでは、と感じました。今後、さらに事業が拡大すると指導員の方の人数も増えると思いますので、一つの課題として改善を進めてもらいたいところです。

今後の展望

今後のPREVENTのサービス活用はどのように考えておられますか?

本年度で3年目になるので、参加者数は減っていくと思いますが、その中でもリスクが高い方にはしっかり参加してもらえるように進めていきたいと考えています。対象者にリスクをどう伝えるかというのが今後の課題ですね。案内用紙に体験談を載せる等工夫はしていきたいなと思っています。以前、特定保健指導の案内で少し対象者を脅かすような案内を作ってみたんですが、あまり反応が良くなく、単純に危機感をあおっても反応がないのかなと感じました。きちんと納得できる数字で示して、エビデンスを絡めながらリスクを適切に伝える工夫が必要かなと感じています。

PREVENTのサービスに対する要望はありますか?

健保の課題、傾向をより細かく分析しコンサル的な形でフォローできるとよいのではと思いました。それなりの金額で医療費適正化の貢献ができれば、事業主に対しても非常にインパクトが多いので、ニーズはあるのではと思います。健保としては、最終的には医療費の適正化が最大の目的になります。全医療費の半分程度は、加入者の1割程度の方々が重症化してしまったための治療費につかわれています。重症化リスクの有る方をどうフォローするかがポイントだと思っています。

当健保としても取り組み効果を算出した結果、約2400万円の削減があったと試算しました。医療費の削減は将来的に期待できるのではと考えています。リバウンドする方もいると思いますが、プログラムの中で正しい生活習慣はある程度身についているんではないかなと思うので、今後の結果も期待しながら追っていきたいと思います。

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