株式会社PREVENTは、弊社の提供する生活習慣改善支援プログラムの参加者のうち糖尿病保有者を対象に、性格特性と血糖コントロール状態の関連性についての研究結果を発表しました。この研究結果により、糖尿病保有者における性格特性の重要性が示唆されました。この研究結果は日本糖尿病理学療法学雑誌/3 巻 (2023-2024) 1 号に掲載されています。


【ポイント】

  • 性格特性の一つである誠実性は、良好な血糖コントロール状態と有意な関連があることが明らかになりました。
  • 一方で他の性格特性(神経症傾向、外向性、開放性、協調性)は、血糖コントロール状態に有意な関連がないことが確認されました。
  • この研究結果は、糖尿病保有者の血糖コントロールにおける性格特性の役割を理解するための新しい知見になる可能性があります。

【研究タイトル】

Association between Glycemic Control and Personality Traits of Individuals with Diabetes in Working Age Population

【研究の背景と目的】

個々の行動に影響を与える性格特性は、糖尿病を含む慢性疾患と関連があるとされています。性格特性はビックファイブ理論と言われるルイス・R・ゴールドバーグという心理学者が提唱した、人間の性格を5つの基本的な因子で説明しようとする心理学の理論から「誠実性」「神経症傾向」「外向性」「開放性」「協調性」の5つの因子から成り立つとされています。本研究は、弊社の生活習慣改善支援プログラムの参加者のうち糖尿病を保有している者を対象として、ビックファイブ理論に基づいた性格特性と血糖コントロールとの関係を調査しました。

【研究方法】

本横断研究では、弊社の生活習慣改善支援プログラムMystarを使用している中で、糖尿病保有者を対象に日本語版Ten Item Personality Inventory (TIPI-J)を用いて、性格特性(誠実性、神経症傾向、外向性、開放性、協調性)を評価しました。アウトカム(従属変数)は、HbA1cレベルによる血糖コントロール状態で、不良なコントロールはHbA1cレベルが7.0%以上と定義しました。年齢、性別、体重指数(BMI)、歩数を共変量として調整し、独立変数を性格特性としたロジスティック回帰分析にて血糖コントロール状態と関連する性格特性を検討しました。

【結果】

1,568人の参加者が対象となり、年齢、性別、歩数、BMIを調整した後、性格特性の中の誠実性が血糖コントロール状態の有意な関連因子であることが示されました(オッズ比 = 0.92、95% CI: 0.85–0.99)。他の性格特性の因子は血糖コントロール状態に有意な関連を与えませんでした。

【結論】

性格特性の中の誠実性は、糖尿病保有者における血糖コントロールにおいて重要な性格特性であることが示唆されました。

【本研究の意義と社会への実装の方向性】

  • 本研究結果より、糖尿病保有者への保健指導介入の場面において、性格特性が血糖コントロールへ与える影響を考慮することの重要性が示唆されました。
  • 糖尿病保有者の性格特性を理解することで、よりパーソナライズしたマネジメント計画を立てることができ、対象者の生活習慣改善や血糖コントロールの支援が効果的に行えるようになる可能性があります。
  • この研究結果は性格特性を考慮に入れることの重要性を示唆しており、より効果的な糖尿病に対するマネジメント戦略の発展に寄与する可能性があります。

【論文情報】

論文名:Association between Glycemic Control and Personality Traits of Individuals with Diabetes in Working Age Population:A Cross-Sectional Observational Study
掲載誌:日本糖尿病理学療法学雑誌/3 巻 (2023-2024) 1 号
著者:Takahiro Miki, Toshiya Sakoda, Takuya Toda, Masashi Kanai, Yuta Hagiwara.
DOI: https://doi.org/10.51106/ptdm.3.1_18