■参考プレスリリース

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000036875.html


■ 概要

本取り組みは、静岡県とノボ ノルディスク ファーマ株式会社が締結している連携協定に基づく取り組みの一環として実施したものです。

静岡県伊豆市、および株式会社PREVENTは連携し、伊豆市が保有するレセプトデータ・特定健診データ等を活用した肝疾患関連のデータ分析を実施しました。

本分析では、自覚症状が乏しい脂肪肝等の肝疾患において、リスクが十分に把握されないまま病態が進行している可能性が示されました。その結果、早期段階での気づきや受診につなげる取り組みの重要性が改めて明らかになりました。

■ 取り組みの背景

肝疾患は、初期段階では自覚症状が乏しく、日常生活の中で気づかれにくい疾患です。一方で、進行すると肝硬変や肝がん等の重篤な状態に至る可能性があります。

近年、脂肪肝を背景とする肝疾患への対策の必要性が指摘されており、症状が顕在化する前の段階でリスクを把握し、適切な受診につなげることが重要とされています。

静岡県では、県民の健康増進と肝疾患対策の充実を目的に、令和6年度より従来の「肝炎対策推進計画」に脂肪肝等の非ウイルス性肝疾患対策を組み込み、名称を「肝疾患対策推進計画」に変更のうえ、企業等と連携しながら地域の健康課題への対応を進めています。そのような背景から、伊豆市においても地域の実情に即した肝疾患対策を検討するため、データ分析を実施しました。

■ 分析の概要

本分析では、伊豆市が保有するレセプトデータおよび特定健診データ等を用い、肝疾患に関連する指標や、受診・診療の状況について時系列で整理・可視化を行いました。

分析は個人が特定されない形で実施し、地域全体の傾向把握を目的としています(図表1)。

図表1:データ分析の母集団(2020〜2024年度において各年度の年度始めに在籍している集団)

■ 分析から見える主な特徴・課題

①MASLD/MASH(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患/代謝機能障害関連脂肪肝炎)病態が進行してから診断されている可能性があること

②肝疾患にかかる医療費を時系列で可視化したところ、肝がん 発症に伴う治療等により医療費が大きく増大する傾向が確認されたこと

以上の特徴を踏まえて、自覚症状が乏しい疾患特性を踏まえ、早期把握や受診につなげる仕組みが重要であると考えられます。

各特徴の詳細

  • MASLD/MASHは病態が進行してから診断されている可能性があること

レセプトデータを使った分析により、MASLD/MASHと診断がついた月を起点として、MASLD/MASHの診断前後に診断された診療名を可視化しました。(図表2)

MASLD/MASHの診断前には、「高脂血症」等の生活習慣病や「慢性肝炎」の診断名がついていることが確認されました。MASLD/MASHの診断後、おおよそ1年半から3年の間で「肝がん」、「肝硬変症」などの診断名が散見されました。

これらの肝疾患は一般的に肝炎発症から最短で10年程度かけて進行する1と言われているため、医療機関においてMASLD/MASHは病態が進行してから診断されていることが伺えます。

図表2:ペイシェントジャーニー(MASLD/MASH)

②肝疾患にかかる医療費を時系列で可視化したところ、肝がん発症に伴う治療等により医療費が大きく増大する傾向が確認されたこと

レセプトデータを使った分析により、2022年度から2023年度に肝がん年間医療費総額の大幅な増加が確認され、その背景には複数人の肝臓がん等の治療開始がありました(図表3)。

図表3:年度ごとの年間医療費 推移

■ 今後に向けて

本分析を通じて、症状が顕在化する前の段階でリスクを把握し、適切な受診につなげることの重要性が改めて確認されました。

伊豆市では現在近隣の市町とともに、静岡県と連携した肝疾患対策の一環として、一定の基準値に基づき対象者を抽出し、医療機関への受診を促す受診勧奨事業を進めています。

伊豆市、株式会社PREVENTは、分析結果と現場での取り組みを踏まえながら、地域の実情に即した肝疾患対策のあり方について、引き続き検討を進めていきます。